• ナゲットプロファイラー
4月 15, 2025
ナゲットプロファイラーの検査原理の理解

ナゲットプロファイラーは、電磁誘導を利用して、特に鋼板などの材料の磁気的および電気的特性を評価する非破壊検査装置です。

センサー構造とデータ取得
このシステムは、励起コイル検出コイルの2つのコイルで構成されています。
励起コイルは磁束(Φ)を発生させ、検出コイルはそれに直交する位置に配置されており、ファラデーの電磁誘導の法則に基づいて**誘導起電力(e)**を検出します。
この法則によれば、誘導電圧は回路を通る磁束の変化率に比例します。

磁気抵抗および電気抵抗の影響
励起コイルに一定の電圧を加えても、発生する磁束は試料の特性によって変化します。
たとえば、磁気抵抗が低い(透磁率が高い)材料は、より多くの磁束を通過させます。
一方で、電気抵抗が低い材料では、内部に渦電流(エディカレント)が発生し、それが磁束の変化を遅らせます。
これらの変化は
誘導電圧に直接影響
し、材料の磁気特性と電気特性の両方を測定することが可能になります。

熱処理が鋼板に与える影響
熱処理は鋼板の機械的特性を変化させ、それに伴い磁気および電気信号にも影響を与えます。
引張強さ約980 MPaの超高張力鋼板で行った試験では、熱処理条件の違いによって磁気特性に明確な変化が観測されました。
これらの変化は、機械的特性の変化と強く相関しています。
スポット溶接された高張力鋼板の場合、その機械的状態は通常、「WQ」とラベル付けされた熱処理パターンに対応します。

この検査法は、鉄鋼製造自動車分野において、溶接品質や材料特性を非破壊で評価する有用な手段を提供します。